舞台『すべての四月のために』☆初日公演(11/11)・後編

そして、タイトルの意味を知る。。。

V6・森田剛主演舞台『すべての四月のために』。
昨日開幕した東京公演のみならず、京都公演、北九州公演を控えている。

“すべての四月のために”・・・
観劇するまで、言葉上このタイトルは、日本語的に変だなと思っていた。
けれども、一夜明けて、タイトルに込められた舞台の想いを感じている。

朝鮮人の夫婦の娘だけれど、
四姉妹の名前は、長女から順に、冬子・秋子・夏子・春子。
四季を感じさせるそのネーミングが、日本人の心にそっと寄り添ってくる。

『すべての四月のために』は、演出家・鄭義信氏の書き下ろし新作戯曲。
第二次世界大戦下の朝鮮半島近くに浮かぶ島を舞台に、理髪店を営む朝鮮人の夫婦と4人の娘、彼女たちの夫と、彼らを取り巻く朝鮮人や日本人軍人たちの物語を描く。


予備知識として最低限、昭和初期の歴史的背景、日本と朝鮮との関係を把握していれば、物語として、会話として、何も難しいことはない、非常に分かりやすい作品だ。そして、私が苦手とする暴力的な過激なシーンも全くない、突然ビックリするような効果音もない、山あり谷ありな人生のアップダウンを実に穏やかに緩やかに描いている。

時代背景は暗く、四姉妹やそれを取り巻く人々の運命は明るくはないのだが、戯曲や演出の妙で、全くその暗さや重さを感じさせない。まるで新喜劇を観ているような、そんな軽妙だけど品のある笑いが随所に散りばめられていて、しんみりな場面のはずなのに劇場には笑いが絶えない、そんな不思議な舞台。

叫んだり、わめいたり、拘ったり、普通の人と違っていたり、とにかく特殊な役柄が多く、またそうした激しい感情表現を期待してのオファーが多い剛くんにしては、この舞台での役はかなり普通の人に近い役柄であり、全員でズッコケたりする喜劇的演出や、真面目にやっているんだけど可笑しく見える仕草など、新しい演技の側面を見ることが出来て、とても興味深く観劇した。剛くんにしては、もしかしたら、かえって難しい分野なのかも知れないね。

こういう可愛い剛くん、私はとても好き。個人的には演技仕事よりも、V活動の剛くんの方が好きだけれど、見るなら、こんな演技をする剛くんが観たかった、そんなことも思う初日だった。そして、今回ほど、次の観劇の日を待ち遠しく思うことはない。冒頭がラストに繋がっていくので、ラストの想いを感じながら冒頭をまた観る機会があるといい。

初日公演、カーテンコールは4回あった。4回とも全員での登場。
ハケる時は両親役の山本さん麻美さんと手を繋ぐ剛くん、可愛がられているよう。

最後のコール、地声で“ありがとうございました”と言ってくれた座長さま。
初日公演、お疲れ様でした。大千秋楽まで、どうぞお怪我なく頑張って下さい。

未来への希望、巡る季節を感じる優しい物語。
これから観劇される皆さま、どうぞ素敵な時間をお過ごしくださいませ。