おくりびと。。。

死は、ただの門にすぎない。。。

映画『おくりびと』。。。

敬老の日の今日、母を誘ってこの映画を観に行って来た。
親の死も当然描かれることは、容易に想像がついたが、何故か母と観たかった。
最近隣人が亡くなった時に、縁起でもないけれど、自分たちはどうしたいか、そんな話もした。


「エンディングノート」というのをご存知だろうか。

遺言というほどのものではないが、最期の時を迎えた時の自分の意志を遺しておく、そのための覚え書きだ。
最近、このノートを購入する人が増えているという。

財産分与、延命治療の意思、介護の希望、葬儀の方法、お墓、もろもろ・・・。

確かに、故人がどう見送って欲しいのか、故人の大切なものをどう分かち合って欲しいのか等は、想像で対処するよりも、意思表示をしていてくれた方が、いいのかも知れない。

“縁起でもない”と目を背けていても、やがて誰にでも、その時はやってくる。


この映画は、“納棺師”という職業にひょんなことから付いた若者の話。。。

親の死、祖父母の死、子供の死・・・そして、孤独死。
様々な死と出会いながら、自らの仕事に誇りを見出していく主人公。

さぞかし暗い話かと思いきや、冒頭からクスッと笑わせてくれる。
さっきまで号泣させられていたのに、今度は可笑しくてしょうがない、そんなテイストもある。

主人公は前の職業がチェロ奏者なので、チェロの曲がよく流れる。
ジブリのアニメ映画で有名な、久石譲さんが音楽を担当している。

主演の本木雅弘さんは、その演技には定評があるが、本当に人間臭い自然な演技が素晴らしい。
また、クロサギでも渋い演技で異彩を放つ山崎努さんの、抑揚を抑えた演技も心に響く。

モントリオール世界映画祭でのグランプリ受賞、アカデミー賞外国語映画賞のノミネート。
そんな、素晴らしい外国での評価も、当然だと思った。

外国と日本とでは、故人を見送る方法が異なる。
なのに、この日本の儀式が、外国で評価をされるのが不思議だった。
でも、この映画で描かれるものは、送り出す儀式ではないということなのだ。

おそらくね。。。そういうことなんだと思う。。。



同じ日に初日を迎えた別の映画を、数日前に観てきたけれど、本当はこの映画の方が観たかった。
私は、CGを駆使した娯楽映画は、正直あまり好きじゃない。

この映画、「フラガール」以来の号泣だった。
“死”で泣かせることが嫌いな私でも、この映画に対する拒否感はなかった。
何故なら、心に届くよりも奥深く、魂をも揺さぶる力を持っているからだった。
死ぬということよりも、生きるということを考えさせられる、そんな映画だった。

人間、娯楽に興じていていいのか?
もっと、見つめるべきものがあるんじゃないか。
大切な人に、今、伝えるべきことがあるんじゃないか。
そんな風にも思った。


この映画を観に来ていた客の年齢層は、目を疑う位ものすごく高かった。
私のような者が、こんな若輩者が観る映画じゃないのかな、と違和感を覚える程だった。
それぐらい、現実的であり、身近である方々が、大変興味を持たれているようだった。

でも、違う。。。
私はもっと、若い人たちにも観て欲しい、そう思った。


死は終わりじゃない。ただの門にすぎない。

いってらっしゃい。。。そして、また会おう。。。




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